節電、長寿命、人体や環境にやさしいと多くのメリットを兼ね備えるLED照明ですが、設備に適した設置や適切な製品選びをしないと「蛍光灯のときよりも暗くなった」「体が疲れやすくなった」など、逆効果になってしまうケースも少なくありません。LEDのメリットを最大限に感じていただくためには、プロによる商品選定・設置をお勧めしますが、ここではご自身でLED照明を検討・設置する場合に参考となる事例・注意点をご紹介していきます。
CASE01 : 電気料金がほとんど変わらない。
蛍光灯からLED蛍光灯にそのまま入れ替えても、蛍光灯を点灯するのに必要だった「安定器」がそのままになっています。安定器は、そのまま電力を消費しつづけるため、LED蛍光灯の定格寿命の間に120~280kwhもの無駄な電力消費が生まれます。蛍光灯の器具はそのままに安定器を外すだけの工事であれば、さほど費用もかからずLED蛍光灯の本来の能力を発揮させることができます。
CASE02 : チラつきが発生する。
安定器は、LED蛍光灯に必要ないばかりか、かえって安定器・LED蛍光灯ともに負荷をかけてしまい、チラつきが発生するなどの不具合の原因になることがあります。最悪の場合、発火するという事例も報告されています。そのまま取付が可能と表示されていても安全に長期間使うためには電気工事をお勧めします。
CASE03 : LED蛍光灯に変えてから調子が悪いというスタッフが増えた。
2010年にメディアでも大きく取り上げられた事例。LEDを導入したある役所でフリッカー(蛍光灯やブラウン管を用いたディスプレイに生じる細かいちらつき現象)が発生。原因としては、LED照明に内蔵する整流器という部分を介し、電圧が1秒間に100回の頻度でオンとオフを繰り返していたため、ちらつきを感じやすくなったと報告されています。その他、安定器はもちろんLED蛍光灯の電源が不良な場合、LED蛍光灯自体が不良な場合にも起こり得ることですので、保証期間と保障範囲を確認した上で、信頼できる企業から購入してください。
CASE04 : テレビやパソコンの調子が悪くなった。
LED蛍光灯も微弱ながら電磁ノイズを発生しています。少し前までは、電磁ノイズに対する企画がなく、LED照明に変えたものの電磁ノイズに悩まされるという事例が発見されていました。今では、国際規格(CISPR11/15/22)もできていますので、必ず企画の認証を受けた商品を購入してください。
CASE05 : LED蛍光灯に変えたら前よりも暗くなった。
個人でインターネットやカタログを調べてLED商品を購入したときに起こるケースが多いですが、カタログや商品概要に記載されている、「全光束(単位はlm(ルーメン))=LEDの明るさの基準となる数値」の計測方法に明確な規定はありません。同じ2000mlのLED蛍光灯でも実際に明るさに若干のバラつきがあります。また、○○W相当という表記がありますが、これもメーカーの独自基準。色々比較して購入したにも関わらず、開封して、設置したら「暗い」と感じることが多いのも事実です。高価で長寿命な商品なので、実物をしっかりと確認してから購入してください。